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森下さん、76歳、男性の事例(仮名)

奥様が透析患者で寝たきりに。2年間入院中です。

森下さんは朝6時から夜まで、お昼のお弁当と夕食のお弁当を作って持って病院に来られます。

奥さんのベッドの傍の椅子に座っています。

病室のテレビを見たり話しかけたりしています。

病室の椅子に座ったままで疲れないかな?

今年から、奥様が脳梗塞を併発してずっと寝たきりの状態。

それでも毎日、お弁当を持って来られる。

365日、1日として休む日はなかった。

この決まった時間も少しも変わらない。

「奥様は幸せ者ですね。」

と森下さんに言うと、何故か困ったような顔をされた。

その奥様が先月、亡くなられた。

森下さんは、息子さん夫婦を病院に呼んだ。

森下さんには息子さん夫婦がいたが、2年間病院に来られたことがなかった。

来られた息子さん夫婦は、非常に淡々としており、森下さんを慰める様子もない。

息子さん夫婦は「することないし、先に帰るから。」と、帰ってしまわれた。

何だかなあ・・・と思っていると、同僚が言った。

「私、森下さんの近所だから知ってるけど。

森下さん、同居してるお嫁さんと合わなくて、家にいづらかったみたい。

息子さんともうまくいかなくなってね。

だから森下さん、お弁当作って、毎日朝から晩まで病院にいたんでしょうね。

奥さんの傍にいたいんじゃなくって、家にいたくなかったんでしょうね。

息子さん達が寝ているときにお弁当を作って家を出て、皆が寝てから帰る。

そうだったのか。

森下さん、奥さんの傍にいられる病室、という居場所があった。

2年間あった居場所がなくなった。

夜勤の時、21時には「お世話になりました、帰ります。」 

と2年間、毎日ご挨拶して帰られていた森下さんがいないことに、時々寂しさを感じる。



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